サイクルツーリング
10月16日    乗鞍高原    平井義雄      

 

 昨年に続き、ミニベロによる乗鞍岳畳平へのサイクルツーリングを行った。天候不順で9月も過ぎてしまい、あきらめかけていたが、秋スケジュールと天気予報の兼ね合いから16日(火)にその機会を得た。

 畳平へは、岐阜県側の乗鞍スカイライン(5号線)と長野県側の乗鞍エコーライン(84号線)が通じている。今回はエコーラインの三本滝駐車場(1,805方の小屋m)から距離15km程の道路最高地点県境(2,716m)を超えて畳平(2,700m)へ到達。

 これまで10回ほど畳平へツーリングし、その内5回ほどは乗鞍山頂まで登山もした。しかし、何れも昼時になってしまうせいもあって、遠望が利かずに、槍・穂高が望めたのは1回だけで、それも雲間に切れ切れに見えただけであった。山頂から望めるはずの御嶽山も毎回雲隠れであった。

 時間を追ってiphone6で撮った写真ですがご覧ください。


乗鞍観光センター前駐車場から乗鞍岳を望む

肩の小屋口バス停から、名残の大雪渓

 乗鞍エコーラインは、サイクリストのヒルクライムの聖地です。例年8月最終日曜日に、観光センター前駐車場から畳平を目指してタイムレースが行われており、賑っています。三本滝駐車場から上は、マイカー規制が行われており、路線バスと観光バス・タクシー以外は入れません。
 一昔前は、このヒルクライムレースと同じコースに挑戦したこともありましたが、現在は三本滝からが精一杯です。途中、冷泉小屋と位ヶ原山荘、そして大雪渓の登山口(肩の小屋口バス停)の三か所が私の場合の休憩ポイントです。(勿論、レースに参加の人達は、ノンストップです)平均6.1%の坂道で、いきなり再スタートするには力不足です。10m以上の平らな道筋が必要ですから、一息つくためや景色の良いところで勝手に止まることができないのです。

 3度目の休憩ポイントからは、大雪渓越しの乗鞍岳が手に取るように見上げられます。初雪が来そうな時期になりましたが、雪渓上部には、一塊の残雪が見えていますね!このまま根雪となるのでしょう。


県境手前2,658m付近から、北方向に槍・奥穂・前穂を望む。
左の稜線は大黒岳で笠ヶ岳を遮っている。斜面を覆う赤茶色い木々はダケカンバの落葉した梢

 この景観は、大雪渓を過ぎた地点です。前方を行く路線バスがお客さんに展望を楽しんでもらうために 一時停止していたところです。県境迄登ってしまうと大黒岳に遮られてしまいますから、運転手の方も気を利かせてくれています。ダケカンバの紅葉はこの辺では9月上旬〜中旬とのこと。

 槍・奥穂・前穂の眺望に大感激し、スマホでの撮影に苦労させられ、冷えてきた。そういえば大雪渓から流れ落ちた路肩の水があちこちで薄氷になっていた。
 よろよろと再スタートしやっとこさっとこ道路最高地点の県境へ到達。サイクリストのための最高地点標識に自転車を預けパチリ。10月16日の日付を張り付けてあるが、観光協会の方が毎日入れ替えてくれているのだろうか?
 畳平へ乗り入れ、食堂で温かなとろろそばを頂く。
 昼時に、畳平におられる方は観光スタイルであろう。皆さん、ダウンを羽織っておられる。山頂を目指すには冬山装備が必要な気温のようでした。
 昼時のせいか、陽ざしを受けて風のないところでは、気持ちの良い暖かさである。12時過ぎ下山である。
 登りの際に目星をつけておいたところで写真を撮りながら下れそうで楽しみだ。


左長野県、右岐阜県の県境で道路最高地点を示す

 且つての駐車場跡の西の端まで行くと、笠ヶ岳から槍・奥穂・前穂迄見通せる。斜めに横切るラインは乗鞍スカイライン。
 左の尖ったピークは烏帽子岳2,692m、中央左寄り大丹生岳2,698m
 右手稜線は、大黒岳2,772mの北よりのこぶから西北へ流れる稜線。撮影場所は2,702m。

 山並みを切り取り、明るさ・コントラストを補正して山座同定をし易くしてみた。ジャンダルムや西穂も見えているのでしょうが、私は何れも登っていないので決めつけられません。篠田さんとあえぎあえぎ登った笠ヶ岳も、その登りの辛さと高さのイメージからして、この程度の尖りにしか見えないので自身がありません。


下りだして間もなくの2,704m地点から、遠く中央アルプスを望む

 iphone6で得られたGPSログから撮影地点を割り出しカシミール3D上で撮影方向と照らし合わせ遠望した山並みを照合したところ、前日千畳敷に初冠雪があったとのニュースと符合する木曽駒一帯であることが判明した。左手の南アルプス北岳は80kmもあるから、確信を持てないが“南”であることは間違いない。

 穂高20kmで中央アルプスは40kmと離れるため、拡大してもやや不鮮明であることは止むを得ない。

 中央やや上の赤い屋根は位ヶ原山荘である。道路脇からガレた沢筋が位ヶ原山荘へ向かっている。途中から湧き出る沢ミスは水はやがて三本滝へと流れ落ちている。
三本滝駐車場から標高差910m余り、我ながら頑張ったものだ。見下ろすと達成感・満足感で一杯!

 登りの時に目星をつけておいた、ナナカマドである。道路わきに大きな株状に広がっている。積雪のため木立になれず、横に広がったのだろう。この辺の高度までぎりぎり槍・穂高が望める。しかし13時近くにって、雲が山頂部を隠すように漂っている。風景写真はシャッターチャンスだとも言われるように、思うようなところへ雲が動いてくれない。かれこれ20分程山頂から雲が切れることを待ったが、この時が最もよく見えた時である。槍と奥穂は雲隠れし前穂だけが現れている。槍が現れると穂高全体、つり尾根も見えなくなるといった具合である。


2,545m地点のナナカマドの赤い実。


2,521m地点のダケカンバの大木

2,501m地点まで下るとダケカンバは
細くなり 密生した林になる。→

 この大木は、このあたり一帯に限られて群生している。
 次の写真は高度を20〜30m程下げただけで、大木は見当たらない。笹やハイマツとの激しい生き残り競争があるのだろうか?
 ハイマツとナナカマドの先にダケカンバの広がる景観もなかなかのものである。老夫婦を乗せたタクシーが私の傍に車を止めて、ガイドをしていた。

 位ヶ原山荘でコーヒーでも飲みたかったのだが、時間切れで急ぎ下る。東向きの九十九折れ斜面になると背の高い針葉樹林帯になる。身を切るような冷風で耳が痛い。三本滝ゲートの警備員の方が“お帰り”と迎えてくれる。交通規制のお陰で安全にヒルクライムサイクリングが楽しめた。感謝である。
 登るときに上は寒いから気を付けてと見送ってくれた。しかし畳平では思ったほどの寒さではなかったが、
位ヶ原山荘から下は本当に寒かったですよ!と言ったら、樹林帯はアスファルトと路面に陽ざしが届く時間が少なく、冷え切っていて路面から冷えに包まれるからだよと教えてくれた。
 今日は25人ほどがヒルクライムに挑戦したとのこと。来年も挑戦できるように、トレーニングしないと!!


10/21記 平井