天気予報、あしたは晴れマーク!
逗子市郷土資料館長柄桜山古墳群
10月26日                武&恭子
 

 昨日夕方、天気予報を見ると明日は「満晴れ」だ。どこかへ行こうと話し合い、主人が調べておいた逗子の「長柄桜山古墳群」に行こうと決めて、早めに床に就いた。

 大船駅では鎌倉方面に向かう時に大船観音を必ず見る。真っ青な空に白い観音様が優しく見守ってくれる。


バス停にあった蘆花の石碑

 JR逗子駅に降りてからバス乗り場を探し、止まっているバスの運転手に確認して乗り込んだ。バスは京急・逗子駅付近で渋滞していたが、3つ目の富士見橋なので近い。蘆花公園をスマホのナビを見ながら歩いていると、向こうに海が見えヨットが浮かんでいる。此処は逗子葉山海岸が近いのです。

 ナビは近道を示しているが私有地らしく通行止めになっている。近くにいた植木の職人さんに尋ねた。蘆花公園は何もない原っぱだったが、ここから山道を登って逗子市郷土歴史館へ続くようだ。公園入口に立っていた案内板をみるとかなり山を上がっていかなければならない。主人は写真を撮っているのか着いて来ない。だいぶ経ってやって来たので「何をしていたの?」と聞くと山道脇の標札を写真に撮っていたという。私は標札よりリスが遊んでいるを見つけ、カメラで追っていた。3匹が傍に来るのだがすばしっこくて写真には撮れない。草むらで人をからかっているようにちょっとおどけて見せる台湾リス!


どんどん先に行く私

主人は標札を撮影している

 郷土誌資料館の建物が見えた。「江ノ島と富士山が見えますよ」と資料館の案内の人から声がかかった。富士山は少し霞んでいるが冠雪して江ノ島との調和が見事だ。ツワブキやホトトギスが咲いている。中に入ると、徳富蘆花、国木田独歩 泉鏡花などの名前と関係の本が並んでいる。

 私達がこれから行こうとしている長柄桜山古墳群の中から出てきたであろうつぎはぎだらけの化石化した壷や土器が多く並べられている。訪れる人はめったにこないのだろうか、受付のご婦人は私たちにつきっきりで説明してくれた。


逗子市郷土資料館

微かな富士、前方の江の島

 大分時間を費やしてしまったが、古墳に行くべきと資料館を後にした。玄関から出てしばらく坂を下りると主人が気がついた。「案内板では山の中に入るんだよ」と。もう一度資料館に戻って聞くと「ごめんなさい」と庭を通って裏山の山道を教えてくれた。

 裏山から登ったのが失敗だったのか、段差がある上滑りやすい。この前の陣馬山の方が楽だったと思うほどで、主人に杖になる樹を探してもらってから少しは歩き易くなった。ずい分登った気がし、お腹が空いてきたので時計を見ると12時半、やや開けた場所を見つけ、切り株にザックを置いた。横になった丸太を椅子に見立てて並んでお弁当を食べた。大船駅構内で買ったのだけど正解だった。何もない山の上だもの。何度見ても気持のいい景色、富士山と江ノ島を眺めながら食事をする。

 食べ終わって改めて周囲を見ると案内板にあった第2号墳に近いようだ。辺りをきょろきょろしながら少し歩くと丸くなった少し高くなったところに出た。第2号墳かも知れないと標識がないか見て周ったが、ありました。東側先端に「長柄桜山古墳群第2号墳」の標柱が立っていた。
 と云うことはここが前方後円墳の「後円」なら、先ほどお弁当を食べた広場は「前方」だったのだ。お腹が一杯になって歩き始めて気付いた。笑ってしまうが確かにこの位置が古墳だったらしい。


お弁当を食べた広場(前方?)

第二号墳(後円)

 赤い実がなっていたりどんぐりがいっぱい落ちていたり、リスは食事に困らないだろう。450mという案内板があった。どっちに?450m?450m歩いただろうと思われるところに第1号墳があった。日が当る気持のいい丘が見える。まだ調査中なのか周りに立ち入り禁止の綱が張られ、上の方にはシートを敷いて、工事中らしい。


辺りに綱が張られていた

後円墳は良く分かった


時計は14時少し前

 さらに山道を進むと眼下には白い民家が見える。もう住宅街だ。下に降りて主人はスマホに話しかけている。「近くのバス停、教えて」と話しかけると「300m南東に歩き左に曲がってすぐ」との返事はお見事なスマホに私も真似しよう。

 バス停は椅子がL字型になっている。まだ20分もある。誰も居ないバス停に座るとそこへバス待ちのおばあさんが来た。座るのだろうとみていると立っている。次の人も次の人も老若男女問わず並んでバスを待つ。バス待ちの人は座らないと納得。バスが来ると一番初めのおばあさんがどうぞとちょっとゼスチャーをした。どうぞと勿論言ったが十数人のうち真ん中の方がどうぞとまた奨められて、とうとうバスに乗った。この辺のルールはバス停で座らないんだ。
 
 逗子駅に着いた。我々のハイキングには丁度良かったね。と言う思いと同時に秋の晴れた一日を家に篭ってるなんて我慢できない。良かったね!


 郷土誌資料館の山道に立っていた標札は徳富蘆花の「自然と人生」の節々を短文にして掲げていたのでした。主人は帰宅後、9枚の写真を拡大して、短文を読んで、しきりに感心していました。

 <夏去り秋來る>
  女郎花咲き、柿の實ほのかに 黄ばみ、甘藷次第に甘し。
  つくつくはうしは晝に、松虫、鈴虫は夜に、共に秋を語る。
  粟、稲、蘆穂の さわさわと云ふ音を聞け。
  微雨はらはら降りて止まぬ。
  是れ今年の夏の季を送るの聲なり。

 <秋漸く深し>
  野路行けば、粟の収納の盛りにて、稲の収納もぼつぼつ始まりぬ。
  蕎麦雪の如く、甘藷の畑は彌繁りに繁り。
  百舌鳴く村に紅なる黄なる星の如く柿の實の照れるを見よ。

 折角ですので全部で9枚の標札を「附録」として載せておきます。


写真・記録: