北海道フットパスの第2弾
6月22日〜7月1日 道北フットパス 松原、高橋、平井
 

 昨年に引き続き、フットパス遠征を敢行した。この時期の行先は梅雨のないという北海道である。大洗港から商船三井フェリーの新造船「さんふらわあ・ふらの」で苫小牧港へ。以下、旭川―美深―宗谷―稚内―羽幌―士別―札幌に宿を取り、小樽港から新日本海フェリーのこれまた新造船「らべんだあ」で新潟港へ戻った。新造船は、何れもエンジン音や振動が極めて穏やかになり快適な船旅であった。
 道央から道北のフットパス体験を写真記録中心に、記憶にとどめるべく以下に整理した。

6月23日(金) 川村カ子ト(かねと)アイヌ記念館
 苫小牧から旭川への高速道路は空いていて、快調に飛ばす。早めに市内へ到着したので、アイヌ記念館へ立ち寄った。大正5年に開館し、在りし日のアイヌの生活を写す品々、伝統を守り伝え、近文コタンに生きる人々を紹介する。

小熊を抱くアイヌ美女に、



ついつい見とれました
6月24日(土) 松山湿原
 道東の入口、名寄市の北東20kmに位置する標高800mの高層湿原である。美深町の国道40号からニウブ川を溯り、村上春樹が「羊をめぐる冒険」の題材にしたという仁宇布集落から登山口の天竜沼(標高600m)へマイカーを乗り入れる。駐車場には中型バスが2台の他に乗用車が20台ほどの満車状態である。「美深町観光協会」が年に1度の「松山湿原と二ウブ自然探勝」の催しを行っているからである。熊出没注意の情報があり<熊撃退スプレー>を持参してきたが、40人ほどの人達が9:30スタートで湿原巡りをしているので、クマちゃんも湿原から退散してくれているだろうと安堵する。
 湿原までは標高差200mでゆっくり歩いて40分程である。登山道には様々な山野草が小雨のぱらつく中、雨粒を纏いながら健気に並び立つ。自然探勝会のボランティアが事前にそれぞれの花にA4版の名札を付けてくれているので、葉の下に隠れた花も見落とさずに見ることができ、大助かりである。マイナーな湿原と言われるのにも関わらず、大勢の下山者とのすれ違いに気を使ったが、観光協会さんありがとう!

ビニール袋に入れた名札

エゾスグリ

オオバナエンレイソウ

コミヤマカタバミ

湿原は3ケの沼がある ワタスゲが雨に濡れて萎んで可哀そう

ゴゼンタチバナ

6月25日(日) べニア原生花園
 浜頓別町から猿払村の海岸線一帯は「北オホーツク自然公園」に指定されている。その中でクッチャロ湖海側のオホーツク海に面した海岸線一帯5kmに「べニア原生花園」がある。浜頓別町で花園に遊歩道を整備し展望台やボランティアガイド詰所なども設けてくれている。車から降りて原野を見渡してみるが、吹き付ける風とぱらつく雨粒に遊歩道に踏み込む気をなくし、原野とは緑一色の広大なものと納得し引き上げようとしていた。そこへ詰所から働き者の奥さん風の人が近づき、お花咲いているところご案内しますよ!と声がけしてくれる。



 毛ガニ漁の権利を持っていない漁師の奥さんで、松山湿原へも度々訪れている、お花好き。町の委託を受けボランティアガイドをされている。私があまり時間がないと言ってしまったものだから、10分コースで足早に次から次へと花の名前を教えてくれる。高橋さんも一生懸命メモを取るのだが間に合わない。


花園遊歩道は片道で30分もある。


6月26日(月) 宗谷丘陵フットパス(ロングコース約11km)

ペンション亜留芽利亜前のテトラポットはオジロワシの餌取監視定点スポット


 

 宗谷岬「日本最北端の地の碑」からスタート

 右後方に樺太(ロシア名:サハリン)が見える



スタートして間もなく、振り返ると宗谷岬灯台の先にサハリンの島影が全容を現してきた

キタキツネが巡回中?

電気柵に囲まれた牧場内にエゾシカが3頭

牛舎で人工飼料も与えられている「宗谷黒牛」

ゆったりと牧草を食べる黒牛

「宗谷丘陵の周氷河地形」は北海道遺産登録されている。宗谷岬牧場で牛乳や宗谷黒牛を生産

コース中盤に「宗谷岬ウインドファーム」が周氷河地形に57基並び立つ。出力57,000kw

左回転中、右は羽の角度を水平にして停止中

標高167mの丸山には自衛隊のレーダー施設


コース終盤のハイライト「最北の白い道」はホタテ貝を敷き詰めたもの。ノシャップ岬を目指して下る。



稚内フットパス

・稚内公園フットパス:JR稚内駅から「氷雪の門」を経由して標高170mの「開基百年記念塔」3kmのコースを、
 マイカーで訪れた。
・ノシャップ岬コース:又、同じく駅から宗谷湾沿いの海岸道を野寒布岬まで歩くコース約5.5kmも宿への途中
 に当たるのでドライブで済ませた。



氷雪の門

 かつて日本領土であった「樺太」で亡くなった日本人のための慰霊碑
「本郷新」作の女性像は、戦争で受けた悲しみ、苦しみとそこから立ち上がることを示している。


九人の乙女の碑

 終戦直後の昭和20年1945年8月20日、ソ連軍の侵攻の中にあった樺太。その緊迫した状況の中、最後まで交換業務の任務を果たし、自らの命を絶った樺太真岡郵便局の9人の若き女性交換手たちを慰霊しています。屏風状の碑には亡くなった9人の名前、交換手姿の乙女の像を刻んだレリーフ、そして彼女たちの最後の言葉「皆さん、これが最後です。さようなら、さようなら・・・」の文が刻まれている。


ノシャップの恵山泊漁港から望む利尻富士

6月27日(火) サロベツ原野
 稚内から天塩川河口まで伸びる106号線:通称オロロンラインを南下しながら、豊富町の湿原センター、大規模牧草地、幌延町のビジターセンター展望台などに立ち寄り、雄大な原野の風景を堪能した。惜しむらくは、明け方少しばかり姿を現した「利尻富士」がついぞその美形を一切見せてくれなかったことである。

ハマナス

スカシユリ

 広大な原野の花々は、時期によって様々なところで咲き乱れるようだ。ハマナス、スカシユリに一日花のエゾカンゾウが最盛期だ。ビジターセンター展望台から原野の向こうに、オロロンライン沿いに一列に並ぶオトンルイ風力発電所の風車を望む。


6月28日(水)天売島フットパス
(海鳥観察舎まで11km程=島一周コースでも12km)
 羽幌町から30km離れた小島の天売島(てうりとう)へは、羽幌沿海フェリーの高速船で焼尻島(やぎしりとう)経由・1時間、カーフェリーで1時間35分である。荒れる日本海を行き来する高速船は、欠航することも予想されるので、島での宿泊なしの日帰りとした。8:00発→天売港着9:00で帰りの高速船は13:20発であるから、滞在許容時間は4時間強である。ちなみに当日の朝7時にその日の運航予定が決定発表される。羽幌町の港近くの大きめな宿は、ツアー会社が押さえているのか我々の条件に見合う部屋は塞がっていた。ネット検索の結果、ライダーハウスを予約し宿の確保をした。


東に位置する焼尻島は天売島と同じ大きさ

標高142mの観音崎展望台へ


 島の西北側は断崖が連なる絶景!

 海鳥の子育て場所で崖に巣穴を築き潮流に乗って島に近づく小魚を捕獲して持ち帰る。
 観音崎には、ウミネコのコロニーがあり、断崖近くを盛んに飛び交っている。
帰りは探鳥コースへ寄り道した。
 鶯以外の鳴き声も何種か耳にしたが、梢に留まった1羽以外見つからない。
せっかく獲った小魚を落したのか?


6月29日(木) かわにしの丘フットパス 6km(10〜14%のアップダウン5〜6回連続で繰り返す)

 士別市市役所にフットパスコース案内図を貰いに訪れた。窓口の職員4〜5人が手厚く対応してくれたが、庁舎入口に置いてある案内図を知っていた方は一人だけ。まだまだフットパスの認知度は低いのかも。2km、2.5km、3.3km、4.2kmそして「かわにしの丘コース6km」の5コースを整備してあり。分岐箇所にはコースナンバー入りの標識がきちんと立っている。

牧草地より畑耕作地が多い。実をつけ始めた麦畑

傾斜の強いところも原野を切り開き開墾中

開墾したばかりらしく、土が小さな塊になっている

北海道第2の大河・天塩川上流部の流れは速い

何年か耕作を繰り返したのか?細かな土で地味豊かな畑になっているように見える

 

←大規模畑作は大型農機具がいるのだろう、
  色々な機材がある



6月30日(金) 北海道開拓の村

 明治から昭和初期にかけて建築された北海道各地の建造物を、54.2fの敷地に移築復元し・再現した野外博物館です。


旧開拓使札幌本庁舎

旧札幌停車場(これは3代目で現札幌駅は5代目)

6月上旬満開であったニセアカシア並木を鉄道馬車が走る

吹き込む雪を防ぐ回転式投入口

 御年82歳のボランティアガイドが予定の90分を超過して、2時間たっぷり歩き回って案内してくれた。こちらの質問には、更に熱が入り説明が微に入り際になる。時には我々にクイズを出したり、裏話を交えたりと大変面白く楽しかった。
 開拓村に隣接する昭和の森・遊歩道の紹介では、市民の良きウオーキング道になっていますまでは良かったが、声を潜めてマムシがいるから踏まないようにと話された。私は聞こえなかったことにして、ご両人を昭和の森へお連れした。

昭和の森(野幌自然休養林)大沢コースとエゾユズリハコースの一部を周回で約3km
 北海道百年を記念して、1968(昭和43)年に「北海道立自然公園」に指定。敷地面積2,053ha、札幌市・江別市・北広島市の3つの市にまたがる野幌丘陵に広がる。大都市近郊にありながら、まとまった面積の森林が残されている平地林は、日本でも数少ない。1977(昭和52)年には、昭和天皇の在位五十周年を記念した「昭和の森自然休養林」に指定された。


 園内には周遊2〜6km程度の散策コースが整備されている。カツラやハルニレの森を歩く「桂コース(1.7km)」、フクジュソウやザゼンソウなど四季折々の山野草を見られる「四季美コース(1.9km)」など17コース。季節や気分に合わせて楽しめる。


緑陰は涼しくオゾン豊かで、鋭気が養われる フットパスコート言えるかもしれない

 昭和の森のカツラの巨木は、周辺にも5本ほど見られる。


あとがき

 6月23日、旭川へ向かう高速道路脇のニセアカシアは、見事なまでに花を付けていた。6/30札幌で期待していた「南郷通りのニセアカシア並木」には、花もなく路面に花柄も落ちていなかった。開拓村の並木はほぼ散り落ちていた。今年の札幌は6月上旬に満開を迎えたとのことである。

その他の立ち寄り先など
美深町「トロッコ王国」:旧美幸線の廃線跡5kmをトロッコで走る。往復20分の運転・乗車は森林浴だ。
美深町「仁宇布の冷水・十六滝」:特に「激流の滝」は見事であった。
中頓別鍾乳洞自然ふれあい公園:日本最北のカルスト地形 〇貝殻石灰岩の「軍艦岩」〇第一洞に入る
浜頓別ウソタンナイ砂金採掘公園:30分間砂金掘り体験で、6粒〜10粒の砂金をゲット。金は重いのだ。
浜頓別クッチャロ湖:今どきはカモメが骨休み。初冬にはハクチョウたちが渡り途中に羽を休めに立寄る
ペンション亜留芽利亜(アルメリア):宗谷村で地図に記載があるペンション・地元魚介類のご馳走が盛り沢山。向かいの家の方がアルメリアをこの地で初めて育てたそうです。その後、宗谷岬や稚内公園などへ広めていったそうです。
抜海岬のゴマフアザラシ見学場所に立派な公衆トイレが新設されていました。
シーズンになると見学小屋が用意されるのでしょう。
豊富町の「大規模牧草地」は宗谷丘陵の牧草地と同等か広いくらいの感じがした。
歴史ドラマ「坂の上の雲」のロケ地に使われたという。
天塩町「天塩川河口」:宗谷本線に沿って北上してきて、幌延町で大きくUターンして川幅が広がり日本海沿いをゆったりと南下して天塩町で日本海へ流れ出る。カヌーで下ってみたい!
天売島へのフェリーターミナルや高速船のトイレがウオシュレットであった。クラブツーリズムのツアー客と一緒になったように、天売島・焼尻島へツアー客をどんどん送り込んでいるせいかもしれない。
羽幌町のライダーハウス「吉里吉里」:設備は立派とは言えないかもしれないが、清潔に保たれた宿である。
オートバイなどの雑誌の他に「井上ひさし著:吉里吉里人」が置いてあった。分厚い本で取り組めそうもない。食事は洋食で食堂の席に着いてから盛り付けて出すなど、美味しく食べてもらいたい配慮で、味も良かった。
士別市ファームインλ:しずお農場の経営で、ヨーロッパ風の2階建て。室内は広く天窓からは星空が望める。食事は士別産ラム肉の焼肉。宿泊費のAプラン¥9,300のラム肉産地は豪州・NZ。
一方Bプラン¥12,000の産地は士別(しずお農場でも羊を生産している)。今ツアー一番リッチにBプラン士別産を予約した。これが実に美味しかった。柔らかさは、これまで食べたジンギスカンとは別ものであった。士別産ラム肉万歳!

 例年のメンバーにお声がけしたツアー企画であったが、諸事情で3名での実施となりちょっと寂しかった。しかし、大自然に触れた10日間の充実した楽しさは変わらずで、次の計画も企画出来ればと思います。
今年のツアーでも道民の観光客を迎える誠実さや熱意に感謝!感謝!である。



写真・記録:平井義雄